2008年現在、日本近海は世界有数のメタンハイドレート埋蔵量を誇っている。本州、四国、九州といった西日本地方の南側の南海トラフに最大の推定埋蔵域を持ち、北海道周辺と新潟県沖、南西諸島沖にも存在する[3]。 このため、日本のエネルギー問題を解決する可能性が期待されているが、政府が試掘を行なっている南海トラフでは現有する採掘技術を使用して採掘・生産しても経済的には全く引き合わないため、商業生産に向けた民間レベルでの採掘計画は存在せず、研究用以外の目的では採掘されていない。 日本近海で初期に日本政府(メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム)によるメタンハイドレート採取の研究が行われたのはこの南海トラフであった。この海域では、1999年から2000年にかけて試掘が行われ、詳細な分布状況が判明しているが、総額500億円を費やしたが商業化には至っていない。これは、南海トラフのメタンハイドレートは、泥の中に埋まっており、探索・採取が困難を極めているからであるとされる。 その後、日本海沿岸で海底面に露出したメタンハイドレートが発見され、低コストで採掘できる可能性があるが現在調査中であり、採算性などは明らかにされていない。現在、東京大学、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所などによる調査が行われているところであるが[5]、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムによる調査は行われていない。 日本のメタンハイドレートの資源量は、1996年の時点で、天然ガス換算で7.35兆m3(日本で消費される天然ガスの約96年分)と推計されている[6]。もし将来、石油や天然ガスが枯渇するか異常に価格が高騰し、海底のメタンハイドレートが低コストで採掘が可能となれば、日本は世界有数のエネルギー資源大国になるとする説もある[7]。日本政府は夜行バス2016年までにこれらのメタンハイドレートの商業化に必要な技術を完成させる計画である[8]。また、近年の資源価格の高騰を受け、経済産業省は、2009年度から2011年度まで南海トラフを中心に実証実験を実施し、2012年度から海洋産出試験を行って、2018年度以降の商業化を目指す方針を明らかにしている[9][10][11]。 石油の可採量が増大したり、化石燃料に変わる代替エネルギーの開発が成功して、一次エネルギーが低コストで入手可能となった場合には、当面の間はメタンハイドレートが商業利用されない可能性がある。 採取方法とその課題 例えば、南海沖海底のメタンハイドレートは潜水士が作業できない深い海底のさらに地下に氷のような結晶の形で存在する。そのままでは流動性が無いので、石油やガスのように穴を掘っても直接汲み上げられず、石炭のように掘り出そうとしても、ガスの含有量が少なく費用対効果の点で現実的ではない。ハイドレートを含む地層を暖めるなどすれば、少しの温度の上昇や圧力の低下でメタンがガスとなって漏れ出してくるが、上層や周囲の土中がハイドレート生成に適する氷を含む温度や圧力の環境であれば再びメタンガスは水分子のカゴに取り込まれてしまう。メタンがガスとなって結晶から遊離する時は吸熱反応となる事も、結晶への再捕獲を助ける。これらの事情によって、低コストでかつ大量に採取することは技術的に課題が多い。 日本海側のメタンハイドレートでは、メタンプルーム直下の海底付近にピストンを打つ方法で、効率よくメタンハイドレートを採取出来ることが、独立総合研究所などの試掘で実証されている。 現在までに提案されている主なメタン回収法は * 加熱法(温水圧入法・坑井加熱法) * 減圧法 * 分解促進剤注入法(メタノールなど) * ガス圧入法(二酸化炭素・窒素など) * ピストン打法(独立総合研究所が開発) の5種である。ピストン打法以外はメタンハイドレートを現位置(メタンハイドレート貯留層内)で分解させ、メタンガスを回収する手法である。 2008年3月、石油天然ガス・金属鉱物資源機構は、カナダ北西部のボーフォート海沿岸陸上地域での国際コンソーシアムに参加して、永久凍土の地下1,100mに存在するメタンハイドレート層から減圧法によってメタンガスを試験生産した結果、連続生産に成功したと発表した。同機構は4月、メタンハイドレート事業を2018年頃に商業化する方向を示した。 大規模崩壊の可能性 採取方法によっては、大量SEO対策のメタンハイドレートが一気に気化し大気中に拡散し、地球温暖化を加速する恐れがあるので慎重に検討すべきと指摘する研究者もいる。ハイドレートは地下で固体構造物を構成しているため、メタンを失った地下構造がどの程度崩壊するかは未知数であり、特に海底下では上層が下のメタンハイドレート層の支えを失い沈下・変形した時に、予想外に急激なハイドレートの溶解が起きないとは言い切れない。海底油田や海底ガス田では、海底面より数千mの深さに位置する油層やガス層内では強固な貯留岩が上部の重みに抗していて、油やガスは隙間に溜まっているだけなので、このような心配はない[3]。 発見の歴史 * シベリアなどの寒地において、天然ガスのパイプライン内にできるガスハイドレート(周辺構造は、メタンハイドレートとほぼ同じ)という現象や物質自体は、1930年代に確認されていた。 * 1960年代には、永久凍土内で、天然ハイドレートの堆積層が発見された。 * 1967年に、天然ガスハイドレート岩石資料が世界で初めてシベリアのヤクーチャの永久凍土地帯で採取された。 * 1970年代に至って、海底において大量に存在する可能性が予測され、実際に計測が行われた。 * 1974年、カナダのマッケンジー・デルタで、天然のメタンハイドレートが浅い砂質層に埋蔵されている事が発見された。 * 1996年、アメリカ合衆国内の海底において発見され、具体的研究が進められる。 * 2000年 南海トラフでメタンハイドレートの存在を確認。 * 2002年、日本・カナダ・アメリカ・ドイツ・インドの国際共同研究として、カナダのマッケンジー・デルタ Mallik 5L-38号井において、世界で初めて地下のメタンハイドレート層から地上へのメタンガス回収に成功した。 * 2006年 東京大学やバリ海洋研究開発機構の研究グループによると新潟県上越市直江津港沖合30km付近に海底上(水深約900メートル)に露出しているメタンハイドレートを確認。海底面上にあるのは東アジア初。 * 2008年 独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構が、カナダの天然資源省との共同研究で、永久凍土の地下1100mのメタンハイドレート層から減圧法によってメタンガスを連続的に産出することに成功。これを受けて同機構は、2018年頃にメタンハイドレート事業を商業化すると発表する。 生成過程(海底下) メタンが海底下で大量に保存されている原因は、無機起源説と、生物起源説に大別される。 中でも、現在までに報告されているメタンハイドレートを構成するメタンの炭素同位体比は比較的小さい値(13Cが少ない)を示しており、これらのメタンは海底熱水系等において確認されている非生物起源のものではなく、堆積物中で有機物の分解によって生じる生物起源のものを主としていると考えられている。 生物生成メタン メタンハイドレートは大陸周辺の海底に分布格安航空券 国内しており、大陸から遠く離れた海洋の深部に有意な発見はない。それら分布領域における表層堆積物の特徴は、長い運搬過程を経た粒度の小さい砕屑物や鉱物粒子、火山灰などの他に有機物や有孔虫などの生物遺骸が含まれる海底泥質堆積物である。その海底面(表層)では生物活動による土壌が作られ、土壌の上に新たな堆積物が積み重なり海水の比率が減少するとともに堆積物の続成作用が働く環境となる。堆積作用により表層から埋没後しばらくは アーキオグロバス属(Archaeoglobus)(限界生育温度95°C)などの硫酸還元菌の活動が続き、この活動している地層を硫酸還元帯という。活動時間が長い深部になるほど炭素同位体比は大きい値を示す。硫酸塩の枯渇などにより硫酸還元菌の活動が終わると、メタン生成菌の活動が活発になり、メタンと炭酸水素イオンが生成される。ここでは地層深部の圧密作用を受けメタンや炭酸水素イオンを含む水が上層へ移動し、一定の条件下で水分子のかご構造にメタンが入り込みメタンハイドレートとして蓄積される。このメタン醗酵が発生する層では13Cが炭酸水素イオンに濃縮されるため、メタンの炭素同位体比は軽く(13Cが少なく)なる。 熱水噴出孔などでこれらのメタン菌の活動を垣間見ることができる。2008年にメタノパイラス属(Methanopyrus)の新たな株の発見により、メタン菌の増殖温度が12°C更新され、最高122°C(400気圧)を記録した。この古細菌は水素と二酸化炭素からメタンを合成する。この他 Methanocalculus などのメタン菌が油田から得られている。 熱生成メタン 更に地中深くなると、地温が夜行バス上昇するとともに微生物の活動は減少し、有機物は熱によるカルボキシル基が除去される反応によってメタンが生成される。ここでは生成された炭酸水素イオンから炭酸塩物を折出する。これらの炭素同位体比は、硫酸還元帯にみられる有機体と比べ大差がない(近似値を示す)特徴がある。ただし、上記 Methanopyrus の培養の際、高温高圧下では炭素同位対比の重いメタンを合成することが報告されており、今後研究の進展しだいでは一部の熱生成メタンの起源について再考される可能性もある。 政治・社会的問題 地球温暖化 海中に湧き出したメタンが、大気中に出ることによって、地球温暖化の一因になっていると考えられている。大気中のメタンは、二酸化炭素の20倍もの温室効果があるとされている。メタンは大気中で12年程度で分解される。 メタンハイドレートは海底の温度が数度上昇するだけで溶け出し、海底内で放出されたメタンガスは海中を経由して大気中に放出されると云われている。 地球温暖化が進むと海水温が上がり、やがてメタンが大気中に放出される。するとさらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンが吐き出される悪循環をおこすだろうという仮説がある。2億5千万年前のP-T境界では、この現象が実際におこり、大量絶滅をより深刻なものにしたとされている[要]。 こういった危惧がある反面、メタンハイドレートは石油に替わるエネルギー源として期待する意見もある。石油や天然ガスよりはるかにCO2の排出量は少ない点でも歓迎出来るとする考え方である。 国境問題 海底資源は国家規模での経済的利益を左右するため、島嶼の領有権のような国境問題となる場合が多い。隆起(りゅうき、uplift)と沈降高速バス(ちんこう、subsidence)は地理学や地質学において対になって用いられる用語で、隆起とは地面が海面に対して高度を増すこと、沈降とは地面が海面に対して高度を減ずることである。 隆起により山、山脈が形成されることを造山運動と呼ぶ。 地殻変動、火山活動などによって地盤が絶対的に上昇・下降して起こる場合と、海面の下降・上昇によって相対的に地面の高度が変化する場合とがある。隆起が起こると侵食基準面が相対的に下降し、侵食力が復活する。 沈降によって海岸線が前進し海が陸に侵入することを海進(かいしん、transgression)または沈水(ちんすい、submergence)、隆起によって海岸線が後退し海面下の地面が陸上に表れることを海退(かいたい、regression)または離水(りすい、emergence)という。 新潟県にある粟島では1964年(昭和39年)の新潟地震の際に、島全体が1mも隆起したことが報告されている。また1974年(昭和49年)3月22日に「海底地すべり」災害が起きて、内浦集落の海岸が一晩のうちに大きく沈降し、多くの住居と完成したばかりの鉄筋コンクリートの村役場が海に飲み込まれた。 沈降によっては、リアス式海岸の様な地形が生まれ、三重県の志摩半島や岩手県の三陸海岸などで見ることができる。 また、氷河期には世界的に海退し、沖縄旅行 レンタカー間氷期には海進するが、こちらは気候変動による隆起と沈降である。(りゅうひょう)とは、海上を漂っている氷のことで、海岸に定着している氷(定着氷)以外のものをいう。日本の気象庁による定義では、海水が凍って生じた海氷(かいひょう)のほか、川の水が凍って生じた河川氷や氷山なども含まれる。